奥さんに大事にされていない彼を慰めてあげたかっただけなのに

私がまだ社会人になって間もない頃の話です。
私は当時世間的にもお堅い職業に就いていたので、入社した会社の職員の方々もてっきり品行方位な方ばかりだと思っていました。しかし内部事情を知るにつれそれが誤解だったと気付くことに。「あの人は○○課の係長の奥さんだけど、同じ部署にいた時に不倫して元妻から略奪したの。だからあの二人は絶対同じフロアに配属されないのよ」「あの人また既婚者にちょっかい出してるわ〜、この前揉め事あったばっかりなのにねぇ」などといった給湯室での立ち話に加わると世間が抱く真面目なイメージと実際のだらしない雰囲気とのギャップに驚くばかりでした。

 

私は女子大卒だったので男性が苦手なこともあり恋愛も奥手で彼氏ができたこともありません。そのため不倫なんてとんでもないと考えていたのですが、こうも現実で浮気や略奪が行われている知るとまるで当たり前のことのように思えてきてしまったのです。
そんな私にも実は気になる方が職場にいました。同期にも素敵な男性はたくさんいたのですが、よりによって既婚者の上司にときめいていたのです。最初は罪悪感しかありませんでしたが周りに流されるうちに半ば開き直るようになりました。皆してるんだからいいじゃない、と。

 

上司はとても真面目で優しい方なのですが決してモテるタイプではなく、お見合い結婚したという奥様に頭が上がらない様子でした。ある時職場での親睦会で酔った拍子に上司から家庭の愚痴を聞くことになり、家で彼がないがしろにされていることを告白されました。料理もろくにしない専業主婦の奥様は娘さんを産んでから一層家事をしなくなり、平日でも彼が代わりに家事をしているというのです。
これを聞いて私は腹が立って仕方がありませんでした。こんなに優しい人をないがしろにするなんて酷い奥さんだ、私なら絶対に幸せにしてあげられるのに…という気持ちになってしまい、慰めるうちに酔った勢いで私のアパートに誘ってしまいました。

 

それからも彼が私のアパートに来ることが続きましたが、結局は彼の奥様が二人目を妊娠したと同僚から聞いた途端に私の目が冷めました。私の所に来ていながら奥様ともそういうことをきっちりしていたんだなぁと思うとがっかりしたのです。今では何の気持ちもありませんが、若気の至りだったと苦笑いしてしまいます。